真空の聲、静謐の旋律

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    後書

 アフターエピソードなのに、まさかの本編を上回るボリュームでお届けいたします初R15小説はいかがでしたでしょうか。
 「巡り音の箱」の中で『最初の頃は泣いてばかりで〜』というセリフがあるのでなんとなく想像はついていたかと思いますが、ご想像の通りに痛かったり苦しかったりなんかいろいろアレな感じになりました。今回のエピソードを踏まえたうえでこの1年後にあたる「巡り音」を読むといろいろと印象が変わるかもしれません。


 この後、今回ずっこけたプロポーズ大作戦がどうなったかと言うと、「巡り音」の後に北に慰問へ行く訳ですが、そこから戻ってきた後、北へ引っ越す前に敢行します。サプライズってことで、酒場貸し切りで結婚式(というかパーティー?)をします。王国では結婚には立会人が二人必要なので、カイトとマスターにお願いしました。つまりは1年以上保留にされます。
「巡り音」のアフターエピソードになりますが、北に引越した後どうするかというと、道具屋を始めて魔術道具の販売をしたり、がくぽ&ミクの共同で冷蔵庫的な魔術道具を開発したり、マスターの息子さんが北に来て酒場を始めたり、そこで王国にいた時と同じように歌ったり、まあ、そんな感じです。なお北では温泉が発掘されるので風呂入り放題です(念を押して言う)。
 がくぽにとって、ミクは初めて「魔術師としての自分」を必要としてくれた人でした。ルカは否定はしなかったけれど魔術師としての彼を必要としていた訳ではないし、祖父も黙認はしてくれたけど積極的に魔術を教えようとはしなかった。魔術師としての仕事の依頼はがくぽにとって不愉快な魔術師の求められ方でした。がくぽの「魔術は人の役に立つと証明したい」という意志を純粋に受け継いだのがミクでした。彼の本質は吟遊詩人ではなく魔術師だから、言葉にならないくらい嬉しかったと思います。ミクはそれに気付いていないようですが(笑)。


 今年でサイト15周年ということで、「よし、じゃあ何かやろう。そうだ、サイト開設日に生まれたベイビーももう15歳。じゃあR15でもいいよね!どうせなら全15話で!」というとんでもない方向にハンドル切りまくりのエンジンフルスロットルの企画として初夜エピソードを執筆いたしました。これだけ恋愛全面プッシュでじっとりと年齢制限が必要と思われる描写をしたのは初めてでしたがいかがでしょうか。もしこの作品を読んで、少しでもニヤリとしていただけたのなら幸いです。
 それにしても、2009年のエイプリルフールにやろうと思っていたネタで、ここまでの量を執筆することになるとは夢にも思いませんでした。当時無理やりにでも実行していたらここまで話を膨らますことはできなかったはずなので、きっとこのタイミングで執筆出来てよかったんだろうなあと思います。書いててとても大変でしたが、同時にとても楽しかったです! 長い物語を最後まで読んで下さって、本当にありがとうございます!
 これから20周年に向けてまだまだ突っ走りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 ところでセルフレーティングがいまいちよくわからなくて、あちこち調べて途方にくれたのですが、今回の作品は「R15」でOK? PG12? どっち? とりあえず、「R15じゃないよね」というクレームが10件来るまではR15表記のままにしておきます。
 
2015.09.02
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